ときめく一枚が、日常を変える——モデル・とみいさんの器のある暮らし
- 5月25日
- 読了時間: 8分

SNSや広告を中心にモデルとして活動する、とみいさん。インスタグラムで発信されるレトロな雰囲気と今っぽさがほどよく溶け合った彼女ならではの世界観は、幅広い世代から支持を集めています。そんなとみいさんの暮らしに欠かせないのが「器」。陶芸教室に通い始めて約5年、うつわ検定®も取得するほど器好きなとみいさんに、器の魅力やコーディネートのコツを伺いました。
一人暮らしの殺風景な食卓が、器によって変わり始める
——最初に器に興味を持ったきっかけを教えてください。
23歳で一人暮らしを始めてから自炊するようになったんですが、当時家にあったのが白い器ばっかりで。どんなに料理をがんばっても食卓が殺風景だったんです。「もうちょっとおいしそうに見せたいな」って思ったのが、きっかけです。
——そこから少しずつ器を揃えていったんですね。
最初はよくインテリアショップに行って、使いやすい小鉢とかを買っていました。そこから結構いっぱい集めて、段々と自分の好きなもの、テンションが上がるものが残っていった感じです。
——失敗もありましたか?
結構ありましたね(笑)。どうしても使わなくなってしまったものは、友だちに譲ったりして。わたしの場合、シンプルすぎるものとか、重いものは出番が少なくなってしまって。ちょっとクセがあるものが好きなので、模様があったり、特徴的なものが自然と残っていきました。
東京でひと目惚れした小石原焼を求め、福岡へ
——今日はお気に入りの器をお持ちいただいたんですよね。
はい、どちらも福岡県の「小石原焼(こいしわらやき)」です。鬼丸豊喜さんと熊谷裕介さんの器で、この飛び鉋(かんな)の柄が特徴的なんです。

——素朴な風合いなのにどこかモダンで、洗練されていますね。
手触りも良くて、意外とどんな料理にも合うんです。鬼丸さんの器は、朝食に果物を盛り付けたり、ちょっとしたお刺身とか、本当に何にでも使っています。熊谷さんの器はグラタン皿なんですけど、シチューやクラムチャウダーといった汁物にも使っていて。形もちょっと変わっていて、テンションが上がるんですよね。
——どちらで出会ったんですか?
最初は東京のセレクトショップです。いいなと思った器が全部鬼丸さんのものだったんです。そこから福岡に行く機会があって、実際に見てみたいと思って窯元まで買いに行きました。
——わざわざ窯元まで! 器を求めて出かけることも多いんですか?
やっぱり実際に見たくて。熊谷さんも福岡の方なので、そのときにいっしょに購入しました。その土地ならではの焼き物に惹かれることが多くて、旅先で買うことがわりと多いですね。あとは、お散歩で見つけたショップのインスタをフォローして、気になる作家さんや行ってみたいショップをGoogleマップにピンを立てて保存しています。
器のコーディネートは、ファッションと同じ
——テーブルコーディネートで意識していることはありますか?
ファッションもまず「今日はこのトップスを着たいな」と“主役”を決めてから合うものを選ぶんですが、器もいっしょで、大皿やちょっと個性的な“主役”をまず決めて、そこにシンプルなものや形が違うものを組み合わせることが多いです。
——インスタグラムを見ると、料理と器の色合わせが絶妙でセンスが光っています。
ありがとうございます! 和食ならちょっと色物の器を選んだりして、色合いはすごく意識していますね。たとえば「赤いパスタを作るなら器は黒」というように、反対の色を合わせると映えておいしそうに見えるんです。あと、ランチョンマットも何枚か集めていて、それとの組み合わせも考えています。

——盛り付けで意識していることはありますか?
器にちょっと“余白”を作って盛ることです。つい料理をいっぱい乗せたくなるんですけど(笑)、パッと見たときに器の柄や色が見えている方が華やかに見えると思うので。料理がメインではあるけど、お皿の存在もちょっと目立たせてあげたいなと、余白を残すようにしています。
うつわ検定と陶芸教室で広がった世界
——数年前に「うつわ検定®ホームユースうつわマスター」を取得されています。
もともと器好きではあったんですが、知識があまりないなと思っていて。その土地のものをもっと知りたいし、コーディネートの幅も広げたいなと調べていたら「うつわ検定」があったので、受けてみようかなと。
——実際に取得して、日常生活に役立ったことはありますか?
自分が選ぶものがちょっとずつ変わりましたね。買わなくても器屋さんに行ったときに、どんな釉薬を使っているんだろうとか、土の練り込みとか、そういうことを考えるようになって。感覚で選んでいたところに知識が加わって、器選びの幅が広がった気がします。
——5年ほど前から陶芸教室にも通っているとか。
器を集めているうちに、自分でも作ってみたいという想いがふんわり出てきて。そうしたら友だちに「教室に行こうよ」って誘われたんです。その友だちはやめちゃったんですけど、わたしはずっとひとりで続けていて(笑)。隔週で通っているんですが、最初は手びねりからスタートして、今はろくろにハマっています。ろくろは難しいんですけどね。
——陶芸をするようになって、器の見方は変わりましたか?
すごく変わりました。最初に作ったものは重くて、デザインは好きでもなかなか使わなくなってしまったんです。だからプロの器を見ると、この薄さでこの幅で作れるのはすごいなって。裏側も結構見るようになりましたね。

——ご自分で作った作品でお気に入りはありますか?
お香立てを最近よく作っていて、インテリアとして置いています。一時期お香立てブームが来て、ずっと作り続けていました(笑)。器屋さんに行ったときも、つぎはどんなデザインにしようかなってインスピレーションをもらって、自分で作ったりしています。
金継ぎと愛着、長く使い続けたくなる器のマイルール
——金継ぎもされているそうですね。
京都旅行をしたときに金継ぎ教室に参加したのがきっかけです。店主さんがすごく親切に教えてくださって、キットも販売していたので手に入れて。それから自分の家でもやっています。器を作るよりも意外と手軽というか、どなたでもチャレンジしやすいんじゃないかなと思います。
——器を割ってしまう不安がなくなりますね!
そうなんです。自分で直せるから、お気に入りも気負わず使えます。直した跡も個性になるし、金継ぎの模様もすごくかわいくて。でも、お家で使っていてもなかなか器が割れないので、金継ぎがしたくてちょっと割りたくなるときも(笑)。友だちに割れたものを「直すよ」っていって預かったりしています。

——普段、お気に入りや少し値が張る器も気にせず使っていますか?
高いものでもたくさん使いたい派です。やっぱり器っていっぱい使ってこそ生きるものだと思うので。たとえ汚れても、出番が多いものの方が長く使い続けられるし、愛着が湧いてきますよね。
——愛着が湧くって素敵ですね! とみいさんにとって、長く使い続けたくなる器ってどんなものですか?
日常に寄り添ってくれるもの。やっぱり朝起きて最初に飲むコップや、朝食を作ったときに手に取りやすいものとか、大きさとか形とか重さとかもすごく大事だと思います。
——器を選ぶ上でのマイルールはありますか?
昔から変わっていないのは、テンションが上がるものを選ぶこと。それがわたしの中ではいちばん大事で、その中でも使いやすさをプラスで考えるようになりました。あとは、持っている器との相性ですね。前はすごく柄が主張しているものや個性的なものが多かったんですけど、器が増えてきて、手持ちと合うかどうかを気にするようになって。最近はちょっと特徴的だけど、肌になじむものを選んでいます。
"器で整う"暮らしの起点とこれからのこと
——器はとみいさんの暮らしにどんな影響を与えていると思いますか?
“料理を作って、器に盛る”っていう一連の流れが、自分の中で「整理できる時間だな」って感じていて。お気に入りの器がシンクに置いてあると「洗わないと」って思うし、それで片付けるとお部屋も整理しようっていう気持ちにリンクして……。器を起点に、暮らし全体がちゃんと“整う”感覚がありますね。

——これから器を楽しんでみたいという方にアドバイスをお願いします。
まずは一枚、自分が"ときめく器"を選んでみてください。心が動く、テンションが上がる一枚を見つけることが、やっぱり器を好きになる最初の一歩だと思います。大皿は失敗すると目立つし、印象が強いので、手のひらサイズの小鉢からスタートするのがおすすめ。出番が多いですし、場所も取りません。その一枚から食卓がちょっと変わって、日常が楽しくなる。器にはそういう力があると感じています。
——とみいさんの今後の器ライフで挑戦してみたいことはありますか?
器もものづくりも大好きですし、陶芸教室に5年ほど通っているので、近い将来、自分の器を販売してみたいなと思っています。よく友だちにあげたりはしているんですけど、まだ納得いくものが何個もできるわけじゃないので、もうちょっと練習してから、ぜひ叶えたいと思っています。
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「テンションが上がるものを選ぶ」——透明感のある眼差しで柔らかな空気をまといながら、迷いなく何度も発せられたその言葉が印象的でした。お気に入りの器が一枚あるだけで、料理のモチベーションになり、食卓が華やぎ、やがて暮らし全体が心地よく整っていく。とみいさんが教えてくれたのは、そんな日常の小さな"ときめき"の連鎖でした。この春、あなたの日常を変える一枚を、ぜひ見つけに出かけてみてはいかがでしょうか。

Profile:とみい
埼玉県出身のモデル。SNSや広告を中心に活動中。落ち着いた雰囲気やオシャレな・インテリアやライフスタイルが反響を呼び、注目を集めている。陶芸教室に通っており、うつわ検定を取得。




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